うずらです。
ある時、嫁に言われました。
アンタ。「そうめん、そうめん」って言ってるけど、もちろん素麺の歴史は書いてるんでしょ?
うっ・・。。書いてません。
そう、指摘されたので今回は「そうめん」のそもそもの話をしていきたいと思います。
そうめんの歴史とは?名前は「聞き間違い」から始まった?!
そうめんの歴史は奈良時代、遣唐使が活躍していた頃に遡ります。
その頃は中国の文化を取り入れようとしていました。その時に納豆や醤油と共に日本に来たのがそうめんの祖先である「索餅(さくへい)」なのです。
索餅とは小麦粉と米粉を練り、それを縄のような形にねじったもので、当時はそれを油で揚げたお菓子のような物でした。
昔はお菓子だったんだ。
当時、この「索餅」はとても貴重で、高貴な位の人しか食べられない贅沢なお菓子だったようです。
そこから時代が進むにつれて呼び名が変わり
「索餅」から「索麺(さくめん)」そして「素麺」となったと言う説が有力となっています。
室町時代では「索餅」、「索麺」、「素麺」と3つの呼び名が混在していましたが、最終的に「素麺」となったと言われています。
言ってしまえば「伝言ゲーム」で間違ってそう呼ばれるようになったんやね。
その過程で生地を延ばして長くしたものが「素麺」、生地を切って細くしたのが「切麦(きりむぎ)」(のちの、ひやむぎ)であったという説が有力となっています。
今のそうめんとなったのは奈良県の三輪山のにある、日本最古の大神神社付近で発祥したという説もあります。
それまでは高価な食べ物として位の高い人しか食べれませんでしたが、江戸時代、三輪地方の宿場町から庶民に普及し、現在のそうめんとなったという事です。
位の低いアンタでも食べれるようになったのね。
まるでシルクロード?そうめんのルーツとは?
中国からやってきた「索餅」が奈良県の三輪で素麺として誕生しました。
そこから各地方に広がっていきます。
奈良県の三輪で生まれたそうめんは南に向かって進んでいきます。
まずは兵庫県! 揖保乃糸の誕生。
600年前に兵庫県の揖保郡神岡村にそうめん作りが伝わりました。
揖保川の綺麗な水がそうめん作りに適していたのです。
そこから生まれたのが、皆さんもご存じの「揖保乃糸」です。
次は香川県! 小豆島素麺の誕生する。
400年前には元々お伊勢周りの小豆島の住人が三輪そうめんに出会い、その技術を持ち帰ったというのが始まりと言われています。
瀬戸内海のそうめん作りに適した気候でそうめん作りが始まりました。
ごまの名産品もあり、ごま油を使った「小豆島そうめん」が普及していきます。
ごまの名産品もあり、ごま油を使った「小豆島そうめん」が普及していきます
さらに徳島県に行く! 半田素麺が生まれる。
今から200年前。
江戸時代に川船から徳島県の半田にそうめんの技術が伝えられてきました。
元々は船頭さんが副業で始めたのがきっかけだったのですが、そうめん作りに適している事からその地方の名産として発展していきました。
冬場は仕事がない船頭さんにはもってこいの仕事でした。
最後に到着!長崎県。 島原素麺の出現。
島原の乱の後、島原半島に小豆島の住人が集められて、そこから小豆島の素麺が長崎県の島原に伝わったと言われています。
きれいな水と良質な小麦粉があった事からそうめん作りが広がっていきました。
各地を移動するなんてまるで水戸黄門ね。
助さん・格さんいたのかな?
いません!
印籠がわりにそうめんを出すとか・・・。
ありません!!
そうめんとひやむぎの違いとは?
そういえばさっき、「ひやむぎは麺をきる」のと「そうめんは延ばす」と聞いたけど。
それが違いなの?
それは昔の話で、今は切るそうめんだってあるから、現在は明確な基準があるよ。
偉そうにいうな!!
そうめん、ひやむぎ、うどん、きしめんは、JAS(日本農林規格)の規格で麺の太さによって区別されています。
たとえば、そうめんは直径1.3㎜未満と定められています。
また、ひやむぎは直径1.3mm以上、1.7mm未満と定められています。
そして1.7㎜以上がうどんと呼ぶように定められているという事です。
ちなみに、きしめんは、JAS規格で幅4.5mm以上、厚さ2.0mm未満の帯状に成形したものと分類しています。
麺が太い半田そうめんは特別にOK?
ちょっと待って!アンタがこの前食べてた「半田そうめん」!あれ明らかに太いじゃん!
嘘つくな!
そんな怒らんでも・・・。
「そうめんは直径1.3㎜未満」と先ほど説明しましたが、半田そうめんは直径1.3㎜~1.6㎜とJAS規格のそうめんと外れてしまいます。
これは例外があり
元々、半田そうめんはJAS制定前からの歴史があり、それをJAS規格で無理やりに”ひやむぎ”と名称を変更させるのが困難なので
『手延べ素麺は1.7㎜以下ならば”そうめん”でも”ひやむぎ”でもどちらでも表記してよい』
と2004年に改定となっています。
あくまでもこれは手延べの場合のみで機械麺の場合はちゃんと名称は区別されるようになっています。
参考資料 Taro-081202資料表紙.jtd (maff.go.jp)
農林水産省 品質表示基準見直しについて「乾めん」
ふ~ん。法律より歴史が勝ったって訳ね。
最後に。
画像:photo AC
素麺の歴史は奈良時代から続いており、その中にはハッキリとしていない部分もあり、仮説が含まれている事をご了承下さい。
同じ材料の麺でも、太さや形状が違うとゆで時間や食感も違ってくるので、JAS規格でちゃんと消費者の為に区別をしているのだと思います。
また、有名な素麺の会社は殆ど西日本であり、発祥が西日本、奈良県だったからとも言えるでしょう。
でも、あたしゃやっぱりうどんだわ。